皆さんは「コンテナハウス」ってご存じですか?

この場合の「コンテナ」は、荷物を輸送するための大型コンテナを指します。港に積み上げられているイメージのアレですね。

「コンテナハウス」は、このコンテナを活用して倉庫にしたり住宅の離れとして使ったり。はたまたちょっとオシャレな店舗やカラオケハウスなど、建物を建てる代わりにしてしまおうというものです。

「イチから建物を建てるより、置くだけのコンテナなら簡単で費用も安く済みそう・・・・」と思った皆さん、ちょっと待ってください!

コンテナを移動させず固定して使う場合、一般的な「建築物」と同じ扱いになり、確認申請の提出など各種法令を守る必要が出てくるんです。

コンテナハウス

コンテナハウスはコンクリート基礎への固定が必要

「コンテナハウス」=「建築物」ということは、ただ地面に置いて使うという訳にはいきません。住宅などの建物と同じ建築基準法に基づく確認申請を行い、確認済証の交付を受けないと設置できないことになります。

すると、まず1つ大きなポイントになるのが「基礎」。一般的に建物は、鉄筋コンクリートでつくられた「基礎」とガッチリつながっていなければいけません。地面に直置き、またブロックに載せるといった簡易なものではダメだということです。

海外製コンテナは使用不可の可能性大。建築確認対応JISコンテナの使用を

そして、コンテナの「モノ」自体もチェックしなければなりません。

これは、建築基準法で指定する「構造耐力上支障のないもの」である必要性からきています。具体的には、コンテナのメイン部材である鋼材がJIS認証を受けているかどうかがカギに。

日本国内でもともと建築用としてつくられているコンテナなら大丈夫ですが、海外製の中古コンテナなどはアウトの可能性が高くなってきます。安く済むからといって安易に手を出すと、申請の許可が下りない事態にもなりかねません。

「居室」として使う場合、採光・換気・排煙などにも注意を

また、人が生活・活動を行う「居室」として活用する場合には、採光・換気・排煙といった項目にも気を配る必要が出てきます。

例えば、今回おの設計に相談があったのが、農作物を育てる場としてコンテナを活用したいというお話でした。この場合、建物の用途としては「農作業場」ということに。「人が農作業をする場所」=「居室」となる訳です。

そこで確認したところ、コンテナは窓がない「居室」になるため、停電しても一定時間動作する排煙設備や非常用照明などが必要になることが分かりました。主に火災や災害が起きたときに、安全に避難できるようにするための措置ですね。

これらの設備は、窓がない「居室」であれば普通の建物にも必要になってくるもの。例え簡易なコンテナと言えど、建築物として扱うからには普通の建物と同様、建築基準法など各種法令を遵守する必要が出てくるということになります。

 

いかがでしたでしょうか?

コンテナを建築物として使うのは、意外に難しいということが分かったかと思います。私自身も、コンテナを固定して使えば建築物として扱うこと自体は知っていましたが、実際使うにはかなりハードルが高いなと改めて感じた次第です。

ただ、「難しい」というだけで「できない」訳ではありません。費用をしっかりかけて、各種法令に従って「建築物」として取り扱えば、コンテナハウスとして利用することは可能です。

コンテナの活用をお考えの方は、ぜひ建築士や自治体の建築担当課などに事前に相談に行くようにしてくださいね。


にほんブログ村 にほんブログ村へにほんブログ村


人気ブログランキング

ブログランキングに参加しています。
↑クリックで応援よろしくお願いいたします!↑


おの設計_人物画像

おの設計では、実作業(図面作成や現地調査など)の伴わない相談は基本無料です。メールでも電話でも、お気軽にお問い合わせください。

おの建築設計事務所
いぬとねこの家づくり工房
【住所】福島県伊達郡桑折町字諏訪40-22
【TEL】024-582-3004
【Facebook】小野 紀章
【Twitter】おの設計(小野紀章)@桑折 福島で家づくり
【instagram】koori_onosekkei

各種SNSの友達申請・フォローもお気軽にどうぞ!

毎週末にメールマガジンを配信中! 登録はこちらから。
おの設計メールマガジン 登録フォーム

ご意見・ご質問等、各種お問い合わせはこちらから。
おの設計 お問い合わせフォーム