今日は午後から、住宅の耐震診断の調査に行ってきました。

福島県では2月に「福島県沖地震」が起きたこともあり、例年に比べ耐震診断の希望者も多い傾向が窺えます。

そして気になっているのは、悪い状況にあるお宅が増えているなということ。東日本大震災と福島県沖地震---震度6強~7クラスの2度の大地震は、建物にも地盤にも大きな影響を与えていると改めて感じます。

災害イメージ

床下や天井裏など「隠れた部分」に重大な問題があることも

2021年度に入って耐震診断の調査にお邪魔した住宅で、大きな問題が見つかる件数が増えている印象を受けています。

特に多いのは、地盤が動いたことによる建物へのダメージ。隣地と高低差のある敷地で、宅地造成時にある程度盛り土したと考えられる場所では、大地震時に地盤が動いたような形跡が見られます。

それにより床が傾斜していたり、壁に大きなひび割れが生じたりと、建物にも大きな損傷が出てくる状態に。先日お邪魔した家では、床下の調査をしてみたら地面に長い地割れが走っていたなんてこともありました。

小屋裏イメージ

また天井裏を調査したときに、梁などが割れているのを発見することもあります。

「梁」というのは、垂直に立っている柱を受け止める水平方向の材料のこと。この梁が小さいと、柱からかかる重さや力を受け止めきれず、床が下がってしまったり部材が割れたりといった影響が出てきてしまいます。

先日見に行ったお宅もまさにそれ。大きな力がかかる2階の角の柱を受け止めていた梁が、その力を支えきれず割れてしまっている状態でした。ある程度の大きさがある梁でしたが、その下が大きな空間になっていたというのも要因の1つかと思います。

間取りは誰でも自由に考えられるものではありますが、構造的なことを考えるのであれば、2階と1階の壁は上下で揃っていた方が間違いなく強くなります。

使い勝手を考えると全てをそうできる訳ではありませんが、構造的な問題が起こらないよう、間取りを考える段階から検討・配慮を重ねる必要がありますね。

 

いかがでしたでしょうか?

今回書いたような地割れや梁の割れといったものは、平時の日常生活を送る上ではこれ以上悪化する可能性は少ないのかもしれません。ですが次に同じような大地震が来た場合、大変な状況になるのは火を見るより明らかです。

そうした「危険予知」をしっかり把握しておく意味でも、普段見えない場所まで調べる耐震診断のような詳しい調査が大切になってきます。気になる方は、ぜひこの機会に調査について検討してみてくださいね。

耐震診断の方法について詳しく書いたページはこちら。

住宅耐震診断・耐震改修のススメ

1つの参考にしていただければと思います。


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