省エネと太陽光

先日、参議院本会議で「改正建築物省エネ法」が成立したというニュースが報道されました。

改正建築物省エネ法が成立 注文住宅も規制強化

業界的に建築物の省エネ化が推し進められている中で、注文戸建て住宅の省エネ義務化がどうなるか注目されたところでしたが、省エネ基準よりも高い基準への適合を求める「トップランナー制度」の対象に大手住宅事業者のみを追加。地場工務店や大工さんなどがつくる住宅や小規模建物は、建築主や行政の負担などを考慮し除外されました。

この措置、大手ハウスメーカーと地場工務店との格差がますます広がることになりかねないと思うのです。

省エネと太陽光

住宅の「トップランナー制度」とは?

まず「トップランナー制度」って何? ということですが、簡単に言うと省エネ法における「機械器具等に係る措置」のこと。住宅で言えば、省エネ効率の良い設備機器や建材などを使うことで、建物全体の省エネ化を進めていくものです。

物件数No.1の不動産・住宅情報サイト ライフルホームズさんの公式サイトに分かりやすい説明があり、一部引用させていただくと


トップランナー基準で評価の対象となるものは、外壁や窓等の断熱性能に加えて、冷房設備と給湯設備・換気設備・照明設備です。テレビや冷蔵庫などの家電や調理機器は対象とならず、太陽光発電設備を設けると、一次エネルギー消費量の算定で考慮されます。

トップランナー基準は住宅性能表示では等級4に該当し、住宅金融支援機構のフラット35では、金利優遇が受けられるフラット35Sの適用対象です。トップランナー基準に該当する住居の購入は、消費者にとってもメリットがあるのです。


とのこと。住宅の省エネ化は、金利の優遇やランニングコストの削減といった意味で、建築主に一定のメリットをもたらすものになります。

さらに詳しい内容については、下記リンク先をご覧いただければと思います。

トップランナー制度って何?2020年に向けて全ての新築住宅を対象に省エネ適合基準(物件数No.1の不動産・住宅情報サイト ライフルホームズ)

制度に付いていけない地場工務店は、ユーザーからも「対象外」に・・・・?

上で説明したような「トップランナー制度」は、住宅では大手ハウスメーカーが供給する注文戸建て住宅には適用になるとのこと。おの設計のような小さな設計事務所や地域で頑張っている地場工務店は、義務化の対象外ということになります。

「面倒な制度が義務化されなくて良かったよかった」

と安どしている業者さんがいたら、ちょっと待ってください!と言わざるをえません。

住宅に関する業務は、自社の展示場を持ち大々的に広告展開を行っている大手ハウスメーカーが主流になっているのが現状。増築やリフォームは地場工務店の方が優勢という時期もありましたが、リフォームに特化した戦略を取るメーカーも増えており、地場工務店・大工にとっては厳しい状況が続いています。

そんな中、大手ハウスメーカーの住宅のみ「トップランナー基準」の義務化。

ネットや本などでさまざまな情報を集めている目の肥えたユーザー側から見れば、先を見据えてしっかり省エネ化している大手ハウスメーカーの住宅と何も取り組みをしていない地場工務店の住宅の、一体どちらを選ぶのか。答えは火を見るより明らかではないでしょうか。

小規模な建築事業者も、変化に対応できる知識の蓄えを

今回の法改正では注文戸建て住宅の全面義務化には至りませんでしたが、代わりに建築主に対して省エネルギー基準への適合状況などを説明する義務が生じるとのこと。建築物の省エネ化の流れは、間違いなく先に進んでいくでしょう。

数年経ったときに、省エネ化に対応できていない小規模事業者はどうなるか・・・・。大手との差別化が更に進み、先の見えない袋小路にますます追い込まれてしまうことになり兼ねません。

そうならないためにも、変化に対応できる知識をしっかりと蓄えておくこと

今回の例で言えば、義務化には該当せずとも同等の内容に対応できるだけの準備をしておくことが大事なのではないかと思います。

おの設計でも、時代の流れに取り残されることがないよう積極的に情報を収集し、新たな制度に対応できるよう準備を整えておきたいと思います。


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