2020年から義務化がスタートされると思われていた、一般住宅の省エネ化。どうやら延期となるようです。省エネ対策は必須ではあるが、全面義務化には準備不足との判断が。このブログでもちょっと考えてみたいと思います。

省エネ対策資料

講習会などが行われるも、業者の理解度の差は顕著に

この住宅の省エネ義務化については以前からアナウンスがされており、設計・施工それぞれを対象とした講習会がここ数年に渡って全国各地で行われてきました。

「じゃ、当然周知も理解も進んでいていいことなんじゃ?」

と思われるかもしれませんが、実情はそうではありません。省エネに興味を持って取り組んでいる業者とそうではない業者の間の理解度の差が、大きく広がっている状況なのではないかと思います。

「ZEH住宅」を売りにして省エネ化を推し進める大手ハウスメーカーと、対応に遅れが出ている地域の小規模工務店・大工との差が、残念ながら分かりやすい比較になるでしょうか。

組織として新しいものに積極的に対応できる大手と、そこまでの余裕がない少人数体制の中小。それなら準備が整うまでもう少し時間を置いて・・・・というのが今回の延期措置なのだとは思いますが、私は却って逆効果なのでは?と思ってしまいます。

それはなぜか。

新しいものに対応する余力がない中小は、恐らく義務化にならない限り本腰を入れることはないと思うからです。

講習会はあくまで講習会。本当の理解は、実際にそれに取り組んでみないと得られません。先日もブログに下記のような記事を書きましたが

インプットしただけでは未定着。得た知識をアウトプットすることの重要性

中小事業者は、講習会でインプットすることはできても、それに取り組む---アウトプットするチャンスが大手に比べてどうしても少ないのが現状。であれば、一定の段階を踏んででも義務化を優先させた方が、最終的に理解が早くなるのではないかと思ってしまうのです。

一般ユーザーへ、「見えない」ものを「見える」化する必要性

そしてそれは、一般ユーザーへの周知を進めることも同様です。

【住宅の省エネ化】と言っても、正直分かりづらいというのが実情です。

「断熱性・気密性をUPさせれば冷暖房の効率が上がり、光熱費も安く済みますよ」

とPRしても、建築時のコストも上がるのだからメリットは分かりづらい。

家にお金をかけるのであれば、システムキッチンやシステムバスをグレードアップする方がよっぽど分かりやすいですから、限られた予算の中でそちらを優先させてしまう気持ちもよく分かります。

【省エネ化のメリット】という目に見えにくいものを「見える」化して、ユーザーへ分かりやすく説明をすること。これが、今後私たち専門家に求められることなのだと思います。

こちらは幸い、建築主への省エネ基準の適合状況説明が今後義務化されるとのことですので、順調に周知が進んでいくのではないかと思われます。

果たして、一般住宅の省エネ義務化はいつになるのか。小規模も小規模、個人事業のおの設計も、流れに取り残されないようしっかり情報を仕入れ、チャンスを逃さず取り組んでいきたいと思います。


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