地震に強い家をつくるために大事な「壁」。
壁の中に「筋かい」と呼ばれる木材を斜めに入れたり、壁の表面に「構造用合板」といった面材を取り付けたりすることで、地震に耐えるための大きな力「耐力壁」となりますが、この壁を配置する場所にもちゃんとした意味があるということ、ご存知でしたか?
どこでもいい訳じゃない! 壁を配置する場所にも意味が
地震に強い家をつくるためには、冒頭にお話した「耐力壁」が必要になります。
「じゃ、どこでもいいから壁をたくさんつくればいいんでしょ?」
と思うかもしれませんが、実はただ単に量を増やしただけではダメ。建物の中で壁をどこに配置するか、そのバランスを考えないと強い家にはなりません。
説明をするのに、まず下の図をご覧ください。
昔ながらの家は南側に窓が多く、壁の配置バランスが悪い
これは、昔ながらの住宅をモデル化した図です。
南側中央に玄関があって、その左側には長い広縁に面した和室の続き間が。廊下を挟んで右側には茶の間。そして上(北側)にはキッチンやお風呂といった水廻りや納戸などの収納スペースが。昔からある平屋の家は、こんなパターンの家が多かったりします。
そうすると、図にもあるように、普段から人の生活する部屋に面した下(南側)の方には窓をたくさん設置したくなりますよね。明るく風通しの良い部屋にしたいですから。
それとは逆に、お風呂やトイレが来る上(北側)には小さい窓しかいらなくなるため、自然と壁の量が増えてきます。
すると、どうなるか。
上(北側)が壁が多い・下(南側)が壁が少ないということで壁の配置のバランスが悪いため、地震の大きな力が加わったとき、建物にねじれが生じて柱や壁が歪んでしまったり、壁の少ない下(南側)の部分から壊れてしまいます。
建物が上の図のように四角い形であれば、上下(南北)左右(東西)バランス良く壁を設けなければいけないことが、現在の法律では定められています。最近の住宅に、昔ながらの広い縁側がなくなってきた理由のひとつでもあります。
地震に強い家にするためには、バランスの良い壁の配置を
地震に強い家にするためには、壁の量を増やすだけではなく、バランスの良い壁の配置計画を。家づくり・間取りを考える中で、壁が少ない場所がないかどうか。ぜひ気をつけて見てみてください。
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