良い子が育つ家づくりのコツ その1「リビング学習」のススメ

家づくりを考える中で、大きな比重を占めるのが子育ての環境について。家づくりにおいても、引っ越しによりお子さんが友達と離れ離れになることがないよう、小学校入学前に家づくりに取り組む方が多いのが現状です。

おの設計でも、家づくりのコンセプトの1つとして

現役教育委員と考える 「良い子」が育つ家づくり

を掲げています。今回は、そのエッセンスの1つである「リビング学習」についてお話したいと思います。

リビングで勉強

基本的に大切なのは「親子のコミュニケーション」

・・・・と家づくりの話に入る前に、良い子を育てるのにまず大事な基本の部分があるということをお伝えしたいと思います。それは

何より「親子のコミュニケーション」が大事

だということです。

「当たり前のことじゃ?」と思われるかもしれませんが、実はそれがデータでも実証されているんです。

東北大学加齢医学研究所所長で脳科学者の川島隆太先生(脳トレで有名ですね)の著書「頭の良い子に育てるために 3歳から15歳のあいだに 今すぐ絶対やるべきこと」によると、

「家族とのコミュニケーションが多い子どもほど、学力が高い傾向にある」

ということが、平成26年に行われた調査により実証されているんですね。

それに加えて、その調査データを心理学・認知科学・脳科学の先生方に解析してもらったところ、

「家族とのコミュニケーションが多ければ多いほど、子どもの<目標意識>や<探求心>が高まる傾向がある」

ということも分かってきています。「知りたい」「調べたい」という欲求が自主的な勉強につながり、学力の向上にも結び付くという訳です。

そしてさらに、親子で過ごす時間の長さが脳にどのような変化をもたらすか、MRIの画像で調べたところ

「親子で一緒に過ごす時間が長いほど、脳の中で言語や言外のコミュニケーションに関わる領域の体積が大きく、脳がよく発達している」

という結果も出ています。

これだけ客観的なデータが結果として出ていると、もはや疑いようもないですよね。学力の面から見ても、人とのコミュニケーションといった観点からも、親子の触れ合いがもたらす良い効果がどれだけ大きいかということが分かっていただけたかと思います。

親の見守りが子どもに届く「リビング学習」

そこで「リビング学習」です。この言葉を聞くと

「勉強は自分の部屋でした方が集中するんじゃ? そのために子どもの部屋をつくっているんだから・・・・」

とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、中学生や高校生になって自分から勉強に向かうようになれば、それもアリでしょう。ですが、特に小学校までのお子さんが小さいうちの間は、部屋に籠って1人で宿題をやるより、リビングで親の気配を感じながら勉強する方が確実に効果的と言えます。

それはなぜか。

「親が見ていてくれる」という環境が「親子のコミュニケーション」をもたらし、それが上で述べたような子どものやる気アップにつながっていくからです。

聞かれたら後回しにせず答える。しっかりできたらすぐに褒める。親側の姿勢も大切なポイントに

「リビング学習」の効果が見えてきたところではありますが、それをより良いものにするには、実は親側の姿勢も大切になってきます。

「ねえねえ、ここ分からないんだけど・・・・」

とお子さんに質問されたとき、あなたはすぐに対応できていますか? 今手を付けていることを終わらせたくて

「これが終わってから聞くから、ちょっと待っててね」

なんて対応を後回しにしていませんか?

子どもから問いかけがあったら、後回しにせず手を止めて、しっかり話を聞いてあげること。親側の姿勢として、大切なポイントの1つです。

すぐに対応してくれるということは、自分を見てくれているという安心感につながります。そして「分からないことが分かるようになる」ということは勉強ができたという「自信」になり、次への「やる気」へと結びついていきます。

加えてもう1つ大事なのが、「しっかりできたら、すぐ褒める」ということ。

「しっかりできた」というのは、「間違えずにできた」という意味ではありません。間違っても、時間がかかってもいい。最後までしっかりやり遂げたことに対して、その場ですぐにしっかりと褒めてあげることが大切です。

実はこれも脳科学の面で科学的に証明されており、

「褒める声かけは、<やる気>に関わる前頭前野の右側を含めて、脳が非常に強く反応する」

ということが分かっています。分かりやすく言うと

「褒めると子どものやる気が伸びる」

ということですね。

リビングテーブルを兼用せず、できれば専用の勉強スペースを

リビングで勉強2

ここまで「リビング学習」の良い効果についてお伝えしてきましたが、ではリビングの中でどういった状態で勉強するのが良いでしょうか?

これは、リビングテーブルやダイニングテーブルなどを兼用せず、できればリビングの一角に専用の勉強スペースを設けるというのがベストです。

おの設計のある福島県桑折町でも導入している「百ます計算」「陰山メソッド」で有名な陰山英男先生の著書「子どもを賢く育てる暮らし方」によると、勉強スペースにはいわゆる「学習机」ではなく、長さ150~180cm程度のカウンターデスクを窓に面した場所に設置することを推奨しています。

なおかつその場所は、キッチンから見て斜め前のスペースに。キッチンで家事をするおかあさんが、勉強する子どもの姿を斜め後ろから見守り、いつでも声をかけられる態勢をつくっておくのが良いと述べています。

お子さんが小さいうちに、ぜひ「リビング学習」の導入を

いかがでしたでしょうか?

「リビング学習」でここまで配慮ができれば最大限の効果が得られる可能性が高いですが、できる範囲で取り組むだけでも充分変化が生まれるのではないかと思います。

効果的な「親子のコミュニケーション」が子どものやる気を引き出し、積極的な学習姿勢へとつながっていく「リビング学習」。家づくりを考える中で、ぜひ導入を検討していただければと思います。

最後に、参考にさせていただいている両先生の公式サイトの紹介を。

東北大学 川島隆太研究室

陰山ラボ~陰山英男公式Webサイト

気になる方は、こちらもぜひチェックしてみてください。


おの設計イラスト

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