皆さんは、建築家「江川三郎八」を知っていますか? と聞きながら、私自身最近までその名前を知りませんでした。一部では「天才建築家」「江川式建築」として名高く、実は福島県桑折町にも縁がある建築家。今回はお隣・伊達市でパネル展と講演会が開催となり、一部手伝いを兼ねながら参加してきました。

江川三郎八パネル展資料

洋風で左右対称となる外観。壁に装飾用の筋交い。アーチ型の換気口などの特徴が

江川三郎八は、明治から昭和にかけて福島・岡山の両県で活躍した建築家。県会議事堂や郡役所・警察署などの公共建築を始め、学校や病院、個人住宅まで幅広い建物を手掛け、現在でも多くの建物が現存しています。

福島県伊達市にある「旧亀岡家住宅」もその1つ。明治37年に竣工したと言われるこの建物は元々桑折町に建てられたもので、現在は福島県伊達市の保原総合公園内に移築。平成28年には国の重要文化財に指定されています。詳しくは、伊達市HPの下記ページをご参照ください。

福島県伊達市 観光情報「旧亀岡家住宅」

「江川式建築」と呼ばれるその特徴は、

・玄関を中心に、左右対称となる建物の外観
・外壁面に装飾となる筋かいを配置
・アーチ状に模られた床下換気口

などなど、いくつかの共通項が見られるとのこと。この日展示されていたパネルにも、その特徴が分かる建物がいくつもありました。

設計者の記名慣習がなく、特定することが困難な古い建築物

ただ、昔は設計者の名前を残しておく慣習自体がなかったとのこと。そんな中でも、数多くの江川建築が現存する岡山県には「江川三郎八研究会」があり、江川建築の掘り起こしに尽力。江川氏が携わった多くの建物が発見・解明され、その多くが文化財として指定されています。

江川三郎八研究会 Facebookページ

興味のある方は、下記ページもぜひご覧ください。

福島県耐震化・リフォーム等推進協議会「建築家江川三郎八をご存じないですか?」

福島県内に現存する江川建築物は、上述した「旧亀岡家住宅」を入れて2つだけと貴重な存在。私もぜひ機会を設けて見に行きたいと思います。

 


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