先日、新築住宅の「基礎」の配筋検査がありました。

「基礎」とは、住宅で言えば地面のすぐ上、外壁の下に見えるコンクリートの部分を指します。このコンクリートの中には鉄筋が入っており、検査では鉄筋の種類や取付ピッチなどが法律の基準通りになっているかどうかを確認していきます。工事の中でも重要な検査の1つです。

基礎配筋検査

 

「基礎」は、建物にかかる力を地面に逃がす大事な役割を担う部分

この鉄筋コンクリートでつくられた「基礎」は、建物にかかる地震や風の力、また建物そのものの重さによる力を地面に逃がす、とても大事な役割を担っています。

「基礎」の工法や大きさは、地盤の強さや建物の構造・大きさによって違ってくるため一概に比較はできませんが、建物を建てるときには地盤調査を行い、地盤の強さがどれぐらいあるのか確かめるのが必須。その地盤調査の結果報告書を確認しながら、設計者である建築士が「基礎」の設計を行うようになっています。

その設計内容についても、住宅の場合は「確認申請」と併せて行われる「かし保険」の審査によってしっかり第三者によるチェックが行われるため、まず間違いはないと言って良いでしょう。

設計が大丈夫であれば、次に大事になってくるのは、「基礎」が工事の段階で設計図通りにきちんとつくられているかどうかということ。

例えば、大地震に備え建物本体の耐震性を高くしたとしても、「基礎」の施工が悪ければ、建物にかかる力を地面に上手く逃がすことができない状態に。結果、基礎のコンクリートが破損したり、最悪建物本体にまで影響が出てくることもあり得ます。

だからこそ、施工時の検査が大事になってくるという訳です。

後から見えなくなるからこそ、きちんとした検査が必要な「基礎」

設計図通りに工事がきちんと行われているかどうかという検査の部分。現場の工事状況を設計図と照らし合わせて設計者がチェックすることを「監理」と言いますが、工事が始まってからはこの「監理」が重要になってきます。

特に「基礎」のコンクリートの中に入っている鉄筋の配置の状況などは、工事が終わってしまえば見えなくなってしまうところ。こうした「後から見えなくなる部分」をしっかり確認しておくことが、欠陥工事を減らし安心・安全な住宅をつくっていく大事なポイントになってくるという訳です。

現在は、「かし保険」制度の導入により第三者機関の現場チェックが義務付けられていますので、監理者と併せた二重のチェック体制になっており、建て主側としてはより安心できる状態になっています。

今回検査があった住宅でも、午前中に設計・監理者であるおの設計でチェックをし写真を撮影。午後からは検査機関の方に検査をしていただき、バッチリOKをいただきました。

今後も住宅の完成まで、しっかりと工事の状況を見守っていきたいと思います。

※この記事は、2010年5月に書かれたものを2019年6月にリライトしたものです。


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