Twitterで仲良くさせていただいている方が、この度クラウドファンディングに挑戦するという話が。「ぜひ頑張ってほしい!」と思う反面、実は複雑な気持ちの自分もいたりします。
というのも、私も過去にクラウドファンディングに挑戦したことがあり、残念ながら失敗してしまった経験があるからです。
失敗談を話すというのも何だか・・・・という気がしないでもないですが(笑)、今後挑戦する方の1つの参考にでもなればということで、失敗から感じたポイントをまとめてみたいと思います。
「夢」を資金面から応援するのがクラウドファンディング
まず改めて、「クラウドファンディング」とは何ぞや? ということです。言葉自体は耳にしたことがあるという方も多いかとは思いますが、実際に関わったことがあるのは意外に少数なのではないかと思います。
クラウドファンディングを運営している大手の1つ「READY FOR」の説明によると
クラウドファンディング(crowdfunding)とは群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、インターネットを通して自分の活動や夢を発信することで、想いに共感した人や活動を応援したいと思ってくれる人から資金を募るしくみです。途上国支援や商品開発、自伝本の制作など幅広いプロジェクトが実施されています。
という説明になっています。
知らない誰かが発信した「夢」を応援するために一定の資金を援助し、「リターン」としてお返しをもらうというのが基本的な流れですね。
例えば「本を出版したい!」という夢があったとします。
それを応援する場合、大抵金額に応じたコースがいくつか設定されており、それぞれ「金額」と「リターン」を見比べながらコースを選ぶことになります。
【Aコース】(金額) 1,000円 (リターン) お礼の手紙
【Bコース】(金額) 3,000円 (リターン) 本に名前を記載
【Cコース】(金額) 5,000円 (リターン) 完成本1冊+上記全て
といったような感じですね。
この「夢」にはあらかじめ目標金額が設定されており、実施期間内で支援された金額が目標を超えた時が「成功」、超えなかったときが「失敗」となります。
また、クラウドファンディングのやり方には2種類あり
【All or Nothing方式】
「成功」しないとお金がもらえないもの。目標金額に達しなかった支援金は、お金を出してくれた人それぞれに戻されます。
【All In方式】
「失敗」で目標金額に達しなかったとしても、金額の大小に関わらずそこまで支援されたお金はもらえるもの。「夢」の実行が必須となります。
とそれぞれ一長一短あるものになっているため、「夢」を実現させようとクラウドファンディングに挑戦する場合は、自分がどちらの方法に合うか、その見極めも大事になってきます。
さらに詳しい説明は、上述した「READY FOR」の公式サイトをご覧いただければと思います。
はじめてのクラウドファンディング(「READY FOR」公式サイト内)
地元イベントに関したチャレンジをし、残念ながら失敗・・・・
さて、私がどんなクラウドファンディングに挑戦したかというと、まだページが残っていましたのでそちらをご覧いただければと思います。
ご当地バーガーの祭典を福島で!食の安全と町の元気発信に支援を(「READY FOR」公式サイト内)
おの設計の地元・福島県桑折町で毎年秋に行われている一大グルメイベント、「ふくしまバーガーサミット」に関するものです。
詳しい内容はリンク先のページを見ていただければと思うのですが、挑戦したのは2016年の夏。ちょうどクラウドファンディングが流行り始めた頃だったかと思います。もう4年も前になるんですね。
イベント自体は、町商工会青年部が企画・運営しているもの。費用的には、基本的に町からの補助金と町内を中心とした企業の協賛金により実施していました。
ですがこの年、やりたいことに対して資金が足りず、名前が知られるようになってきた「クラウドファンディング」に挑戦してみては?という話の流れだったかと記憶しています。
その中で私が企画担当になり、上で紹介したページを作りこみ、実施に至った訳ですが---冒頭で述べたように、目標金額に届かず「失敗」となってしまいました。
「READY FOR」さんは、基本的に上で紹介した【All or Nothing方式】を採用しているため、結果的には全くお金をもらうことができない状態に。
残念というしかない結果だったのですが、ではなぜ「失敗」してしまったのか。自分なりに考えた要因を3つにまとめて紹介します。
チャレンジが失敗した3つの要因
1.周りを巻き込もうとしなかったこと
クラウドファンディングの準備から実施をしていた当時、既にイベントの準備が大変な時期を迎えており、主要スタッフは自分の仕事で手一杯になっている状況がありました。
青年部の部長も経験しその大変さが分かっていた私は、他の人に頼らず自分でできることは全部自分でやって、みんなの負担を少しでも減らそうと考えたんですね。
実際作業的には問題なく進めることができたのですが、結果スタッフ内ですら「クラウドファンディングの企画って何をやっているのかよく分からない」という人がいる状態に。
クラウドファンディングの成功には、地元の人---特にネットを知らない世代にも理解を得て、地域全体で盛り上がることが不可欠です。それが、イベントスタッフでさえよく知らない内容というのでは、地元の人に話が広がっていく訳がないですよね。
これが、第一歩のつまづきでした。
2.目標とした「夢」の内容が弱かった
このチャレンジで実現したい内容というのが、イベント当日に地元ラジオ局の生放送を実施し、広域に事業をPRをしたいというものでした。
---ということは、イベント自体はクラウドファンディングのお金があってもなくても実施できるということなんですよね。
自分がお金を出す=「夢」を応援する立場として、考えてみてください。
【A】あなたの応援がないと、このイベントができないんです!
というものと
【B】あなたの応援がないと、この企画はできないんですが、イベント自体は実施できるんです!
どちらを応援したいと思いますか?
大抵の方は、応援してあげないと後がない【A】の方を応援したくなるんじゃないでしょうか。それに対して、この時の私のチャレンジは明らかに【B】の方なんですよね。
「READY FOR」のサイト内には、何とか「夢」を実現させようとたくさんのチャレンジがUPされています。支援してくれる人も、限られた資金の中で「どれを応援しようか・・・・」と比較・検討をする訳です。
それが【A】ではなく【B】の内容では、比較の時点で負けてしまいますよね。
大多数の人が応援したくなる「夢」の設定。根本的な部分ではありますが、そこが弱かったな、と。終わってから改めて感じた反省点です。
3.「熱量」「本気度」が足りなかった
上記の2つにもつながることですが、チャレンジを担当した私自身に、そしてスタッフ全体に「熱量」「本気度」が足りなかったというのが、失敗の一番の要因だったと思います。
「スタッフの中には、自分の仕事が忙しくクラウドファンディングの内容を理解していない者もいた」という話を上に書きましたが、私自身もこのチャレンジだけが仕事ではなく、他の担当もいくつか抱えて同時並行で準備作業を進めていました。
そんな中で募集が開始。反応がイマイチで盛り上がりに欠ける状態になったとき、自分はどうしたか---。
言い訳を考えて、あがくことをしなかったんですよね。
「クラウドファンディング自体初めてなんだから、上手くいかなくてもしょうがない」
「1人でやってたんだから」
「失敗でも一定のPRにはなるし」
「イベント自体はできるんだから大丈夫」
どれもこれも、単なる逃げ口上に過ぎません。ですが、いざ「失敗」が目に見え始めてきたとき、そんな言い訳を用意して「頑張る」ことを止めてしまった自分がいました。
これじゃ、上手くいく訳がないですよね。「熱量」「本気度」が感じられない進め方は、表に透けて見えていたはずです。
チャレンジするからには、最後の最後まで「本気」で。
クラウドファンディングに挑戦する上で、当たり前のことかもしれませんが、何より大事なことだと思います。
いかがでしたでしょうか?
自分の情けない部分をさらけ出すようで、お見苦しく感じられた方もいらっしゃったのではないかと思います。ですが、この失敗談が今後クラウドファンディングに挑戦しようと思う皆さんへの、1つの「応援」なれば幸いです。
ちなみに、このときチャレンジに失敗した「ふくしまバーガーサミット」ですが、その後も頑張ってイベントを継続し、NHKの番組で大々的に取り上げてもらうまでに成長しました。
福島県桑折町のご当地バーガーがNHKに!3/8(日)放送「東北酒場で逢いましょう」は必見です
放送自体は既に終わっていますが、お笑いのサンドウィッチマンのお二人や森三中の黒沢さんと絡みながら、ご当地バーガーの話を展開・試食までしてもらうことができ、盛り上がる放送となりました。
1度失敗したとしても、「次」はあります。まずはチャレンジ、ぜひしてみてください。
たくさんの「夢」が、たくさんの人の「応援」で実現していくことを祈って---
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