皆さん「げんちく」という言葉は聞いたことがありますか?
漢字では「減築」と書くこの言葉。意味としては、建物を大きくする「増築」の反対。建物を小さくすることを表します。この「減築」が、地震対策の1つになるんです。
イメージとしては、上のイラストのようになります。例えば、2階建ての家の2階を取り除き、平屋のしてしまうような感じです。
建物を軽くすることは、地震対策として効果があります。
2階建てということは、2階の重さ・力を1階で支えるということ。その2階部分がなくなれば、1階部分にかかる負担はかなり小さくなりますよね。地震による大きな力が建物に加わったときにも同様で、2階建てよりは平屋の方が地震の力を受けなくて済むということになります。
耐震診断などで長年住んでいる家にお邪魔して実際に話を聞いてみると、「2階はほとんど使っていない」という方が意外に多かったりします。
子どもたちが小さい頃に家を建ててそれぞれの部屋を2階につくったけれど、就職や進学・結婚などを経て別に住むようになり、家に残ったのはシニア世代のご夫婦2人だけ。そうなると必然的に2階は空き部屋になってしまい、物置化。
足腰が弱ってくることから2階に上がることも少なくなり、掃除もままならず放置状態になってしまうこともよくあることです。
であれば、2階を取り除く「減築」をしつつ同時にバリアフリー化などリフォームもしておけば、地震にも強く、高齢になっても住み続けることができる「終の棲家」へと家を生まれ変わらせることができる訳です。
おの設計でも以前、2階部分を取り除く「減築」をしたことがありました。
まだ東日本大震災が起こる前のことでしたが、明治時代に建てられた木造2階建ての家に住むお客様から相談が。強い風が吹くと家が揺れて怖いということで、どうにかならないかというお話でした。
そこで、風を受けやすい2階部分を取り除きつつ、同時に耐震補強も実施。地震にもある程度耐えることができる平屋建ての家に生まれ変わりました。
その後、1年以上が経過した頃に東日本大震災が発生。心配になりこのお宅の状況を確認したところ、少し壊れた部分はありましたが倒壊することもなく、そのまま住み続けることができました。
昔の2階建てのままだったら、大きな影響が出るのを避けられなかったと思います。「減築」が地震対策として有効だという、良い例です。
いかがでしたでしょうか?
家を直すというときは、どうしても「増やす方・大きくする方」に目が向きがちですが、「減らす・小さくする」という考え方もあるんだということ。そしてその「減築」は、地震対策にも効果があるんだということ。頭の片隅に入れておいていただければと思います。
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