今回紹介する本は「なぜ新耐震住宅は壊れたか」。建築の専門書です。

以前からずっと気になっていた本でしたが、2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震をきっかけに「やはり読んでみねば」と想いを新たに読んでみた1冊。

結果「もっと早く読んでおけば良かった!」と痛切に感じた、とても良い内容でした。

本イメージ

震度7が連続で発生した「想定外」の熊本地震

この本は、2016年4月14日に発生した熊本地震の被害を分析して書かれたものになります。

まだ建ててそれほど年数が経っていない住宅や、1981年以降に建てられて比較的安全だと言われていた、いわゆる「新耐震住宅」も多数倒壊した熊本地震。震度7という大地震が短時間に連続して起こるという想定外の揺れが、築浅の住宅にどんな影響を及ぼしたのか---地震の特徴を捉えつつ倒壊の原因を分析しその対策にまで踏み込んだ、とても分かりやすい内容になっています。

木造住宅を手掛けている技術者ならぜひ読むべき1冊

・壁の位置の上下の不ぞろいが弱点になっている
・「壁量2倍」の住宅はほぼ無傷
・新耐震住宅の65%が接合部に問題あり

など、目次にある一部を抜き出しただけでも参考になるキーワードがぼろぼろ出てきます。

壁の位置の不ぞろいなどある程度基本的な内容もあったりはしますが、設計をしていく中でお客様の要望に応えるためについおろそかにしてしまいがちな部分も。そうした基本の大切さをもう1度意識するとともに、熊本地震の考察で得られた新たな知識をインプットしていくことができます。まさに木造技術者必携の1冊と言えるのではないかと思います。

個人評価:★★★★★(※最高で★5つ)

どの士業の方もそうなのかもしれませんが、建築士も常に新たな技術・法律を学び、業務に活かしていかなければならない立場にあります。中でも住宅は、住む人の生命と財産を守らなければならない大切な要素。先の北海道地震を受けまた新たな知見が発表されるかもしれませんが、しっかりとアンテナを張り情報を得ていきたいと思います。

 


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