おとうさんの家読その15「わが子を天才に育てる家」八納啓造

2018年3月22日2020年12月26日

今回紹介するのは「わが子を天才に育てる家」。最近積極的にインプットを試みている、子育てと住まいづくりの関係性を探った1冊です。

アメリカやヨーロッパの事例、また戦後からの住宅及び子ども部屋の変遷などを辿りながら、子どもの才能を育むためにはどんな点に気を付ければ良いか、たくさんの経験を持つ著者の経験を基にアプローチ。一般の方でも読みやすい文体で書かれており好感の持てるその内容ですが、最終的には家族間でコミュニケーションを図ることが何より大事だという結論に達します。

第3部では、Q＆A形式で

「子ども部屋は個室にした方がよいか？」
「子ども部屋に直行しないようにリビング階段にした方がよいのでは？」

などという質問が挙げられていますが、それに対しても明確な答えが示されている訳ではありません。住まい方やルールづくりと共に家族の中でその問題について話し合って決めていきましょう－－－というのが基本的なスタンスだということです。これは「わが子天才に育てる」ための答えを探していた方には拍子抜けかもしれません。

ただ、自分に合った答えを探していくための考え方・エッセンスはふんだんに詰め込まれています。その中で、自分の家にはどういった考え方を取り入れていくのか。子育て世代の方が家づくりについて家族で話し合う前に、建築士との具体的な設計作業に入る前に、ぜひ読んでおいた方が良い1冊だと思います。

個人評価：★★★★（※最高で★5つ）