先日発生した大宮のビル火災。

街なかにある建物が火に包まれるという衝撃的な映像と4人死亡という痛ましい結果に、どうにか被害を食い止めることはできなかったのかと考える方も多いかと思います。

火の用心

にしても、どうしてここまで被害が拡大してしまったのか。警察や消防の現場検証が待たれるところではありますが、煙が充満して逃げられないという通報があったことや、以前の消防点検で避難通路に関する指導があったことなどから、この建物が法的に不備な状態にあった可能性があると思われます。

建物に関する法律には、建築基準法や消防法といったものが関係してきますが、それぞれ災害時に人命を守るために様々な規定がなされています。

火事になって煙が出たとしても、その煙を外に逃がすための排煙設備や窓の設置。
また安全に避難できるように、2つの方向への避難経路をつくっておくこと。
そして、いざというときにそれらがきちんと機能するよう良好な状態を保っておくこと。

建物の大きさや用途により違いはあれど、決められた法律を遵守していれば、大きな被害が生じる可能性は少なくなるはずです。

さらに、今回の建物でも「消防の指導があった」というように、不特定多数の人が出入りする建物などは建築・消防の両面で定期的な検査が行われ、建物を使っていく上で問題がないかどうかチェックを受けているはずなのです。

ただこの検査も、悪いところがあっても「指導」や「是正勧告」といったものに止まり、直さないと使用中止になりますよといった強制力がないのが難しいところでもあります。ですので、建物の安全性が保たれているかどうかは、最終的には建物の持ち主や管理者の良心・判断に委ねられる部分が大きくなります。

果たして今回の大宮の建物はどんな状態だったのか。調査結果は気を付けて見ていかなければいけないでしょう。

直す予算がない。
大きな事故・災害は起きないだろう。
ウチの建物は関係ないかな。

さまざまな理由や考え方はあるかとは思いますが、「何か」が起きてからでは遅いというのは明らかです。建物を所有・管理されている方は、「法令の順守」と「災害への日頃の備え・確認」を。建築に携わる者として、これを機にぜひお願いしたいところです。


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