タイトルを見て「お!」と感じた方もいらっしゃるかと思います。
今回の記事を書くきっかけになったのは、国土交通省が空き家の情報をインターネットを通じて紹介する「空き家バンク」を広げようと、空き家の所有者と購入を希望する人を仲介する団体などに助成金を出す制度を設ける方針を固めたというニュースが発端です。
地元の町の空き家調査を実際にやってみて、その利活用の方法なども考えてきた経験で感じていたのは、単に「空き家バンク」を設置しただけでは何も進まないということ。
「空き家バンク」の存在を否定する訳ではありません。バンクに物件がたくさん登録され、それを見た人が空き家を購入していき、市場が活性化し空き家が減っていく---そんなサイクルが出来上がれば問題ありません。
ですが、現状のままでは「空き家バンク」への登録数はそう簡単には増えないでしょう。
それは、なぜか。
「空き家」には、「空き家」になるべくしてなった諸々の「問題」があるからです。
それは例えば
・普段は誰も住んでいないが、実家を出て遠くで暮らしている家族が年に1・2回戻ってくる家
だったり
・長年住んでいた親が亡くなり、住む者がいなくなってしまったが、気持ちの整理も荷物の整理もつかず、人手に渡したり解体したりすることができない家
だったり
・どうにかしたいと思っているが、権利関係が複雑になってしまい相続が上手くいかず、手を出すに出せない家
だったり・・・・。
「問題」と言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、それぞれの家に次に進めない「事情」があるからこそ「空き家」になっている訳です。
何も問題がなければ、しばらく放っておいて家に傷みが出てくる前に、不動産業者などに依頼をして売るなり貸すなりしているはずですよね。その方が、損をしないばかりか儲けが出る訳ですから。
「空き家」は「空き家バンク」に登録! これは別に間違っている訳ではありません。
しかし上で述べたように、家族関係だったり相続問題だったり家そのものへの想いだったり・・・・複雑に絡み合ったそれぞれの「事情」を解きほぐしていかなければ、バンク登録に至ることはないでしょう。そこを蔑ろにしてバンク設立ばかりを急いでも、空き家問題は解決することはありません。
空き家問題は、そう簡単に解決するものではないと思います。だからこそ、問題を解決するための順番・力の入れ所を間違えないでほしい。空き家問題に関わる者として感じた1つの意見でした。
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